15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
嗚咽を堪える声が震える。なのに、涙は止まらなかった。

「二十歳ってだけで、どうしてあんな事、言われなきゃならないんですか? 私、真剣なのに……」

その瞬間、玲央さんは私をぐっと抱きしめた。

大きな腕の中に包まれて、胸に顔を押し当てた。

「私がまるで……玲央さんを、もてあそんでいるかのように言われて……」

自分の言葉にまた涙があふれた。だけど、次の瞬間――

「……俺も悔しい。」

低く抑えた声が、玲央さんの喉の奥から漏れた。

「俺だって、本気なんだ。ひよりが若いからって、気持ちまで軽いなんて……そんな風に思われたくない。」

玲央さんが、私を見つめる。その瞳の奥には、いつもよりも強い光が宿っていた。

「君は俺に、ちゃんと心をくれた。だから俺も、その全部を大切にしたいんだ。」

その言葉に、胸がぎゅっと締め付けられた。

私は、玲央さんを選んで良かった。

そう思わせてくれるその言葉だけが、涙に滲む世界の中で、はっきりと輝いていた。
< 240 / 297 >

この作品をシェア

pagetop