15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「完璧って……どこまで惚れてんのよ、ほんと。」

私は少しだけ笑って、けれど心のどこかでふと気づいていた。

さくらが私の話を聞いているその瞳の奥に、ほんの少しだけ、遠さがある。

彼女の隣で、こんなに自然に恋バナをしているのに、私たちの距離は確かに変わってきていた。

でも、それを口にするほどの勇気は、私にはまだなかった。

そしてさくらは、棚の間を歩きながら、何げなくこう言った。

「もうしばらくすると、私たち司書課程入るね。」

「……うん。」

その言葉に、胸の奥がわずかに揺れた。

司書になりたい人は、大学に入ってから司書課程をとる。

時間はかかるけれど、現実的な道。私たちは、そうやって夢に近づいていく。

「ひよりも、司書教諭取るんでしょ?」

「うん、まあ……一応ね。」

未来は、さくらにとってどこまでも続く青空のようだった。
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