15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「うん。」

玲央さんの手が、そっと私の髪を撫でる。

まだ大学生。まだ夢の途中。

でも、こうして一緒に“もしも”を見つめられる人がいる。

それが今の私の、確かな未来だった。

そして翌週。
玲央さんは前日、メッセージでこう言ってきた。

《明日、かしこまった格好で来てくれないか。》

何それ。デートなのに?

普段は「楽な格好でいいよ」って言う人なのに、不思議だった。

だけど言われた通り、私はきちんとアイロンのかかったワンピースを着て、髪も丁寧にまとめた。

待ち合わせ場所について、私は思わず目を見張った。

「……ここって。」

大学生の私でも名前を知っている、一流ホテル。

都心の喧騒から少し離れた、格式ある佇まいのその建物に、私はしばし立ち尽くした。

どうして、急にこんな場所に?

高鳴る胸を押さえながら自動ドアをくぐると、空気がひんやりとしていて、香水のような上品な香りが漂っていた。

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