15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
その瞬間、タイミングを見計らったようにホテルスタッフが入ってきて、次々と手際よくセッティングを始める。

ナプキンが折られ、ワイングラスが並び、ひんやりとした前菜のプレートが運ばれてくる。

どれもが洗練されていて、美しく、少しだけ背筋が伸びる。

「初めてもよろしいでしょうか?」

そう尋ねたウェイターに、玲央さんが落ち着いた声で答えた。

「お願いします。」

その言葉と同時に、ゆったりとしたコース料理が始まった。

白いお皿に並んだ前菜は、サーモンのカルパッチョと季節の彩り野菜。

ソースが芸術的にかかっていて、食べるのがもったいないくらい。

「すごい……こんなの、食べたことない。」

フォークを手に取りながらも、私はまだ信じられない気持ちだった。

「今日は、ちゃんとしたいと思って。」

玲央さんはそう言って、優しく笑う。

ワイングラス越しに見えるその微笑みに、胸の奥がじんとあたたかくなった。
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