15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ほんとに……こんなに用意してくれて、ありがとう。」

「ありがとうなんて、言わないで。俺がしたかったことだから。」

そのやりとりの中に、言葉以上の想いが込められている気がした。

一皿ごとに運ばれてくる料理と、交わす言葉のひとつひとつが、ふたりの絆を少しずつ深めていくようだった。

コースが進むにつれて、ワインもほどよくグラスを満たし、料理の美しさと夜景のきらめきが、まるで夢のような時間を演出していた。

前菜、スープ、魚料理と進むなかで、玲央さんは静かにナプキンを膝に置き直し、少し真顔で私を見つめた。

「今回の妊娠疑惑……考えさせられたな。」

その言葉に、私は思わずナイフとフォークの手を止めた。

カトラリーが皿にあたって、小さく音が響く。

またその話……。

心臓が小さく跳ねる。

「……ごめんなさい。よく調べもしないで、ひとりで騒いで……お騒がせしました。」
< 265 / 297 >

この作品をシェア

pagetop