15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
うつむいて、小さな声でそう呟く。

思い出すだけで、あの時の自分が恥ずかしかった。

検査もせずに思いつめて、「赤ちゃんできたかも」なんて口にして、期待して、泣いて……。

すると玲央さんは、ふっと微笑んだ。

「違うよ。俺、ひよりに子供ができたら──そのまま結婚していいって、本気で思った。」

私は顔を上げた。

玲央さんの瞳はまっすぐで、優しさと覚悟が滲んでいた。

「責任を取るとかじゃなくてさ。俺にとっては、それが自然な選択だった。あの時、検査薬の結果が陽性だったとしても──怖くなかった。」

言葉が、静かに胸に染みてくる。

「ひよりが、どんな状況でも俺を信じて話してくれたことが、何より嬉しかったんだ。」

私は、自分がどれだけ一人で勝手に落ち込んでいたかを思い知らされた。

玲央さんは、最初からずっと、私と一緒に“この先”を見てくれていたのに。
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