15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
その一言を口にした瞬間、世界が少しだけ明るくなった気がした。

玲央さんの顔が、ほっと緩んで、子どもみたいに嬉しそうに笑った。

そして私は、彼に指を預けた。

リングが薬指にすっとはまる。

まるで、最初からそこにあるべきものだったように。

そして時間が過ぎ、私は玲央さんの腕の中にいた。

シーツの中、肌と肌が触れ合う距離。

静かな鼓動と、少し早い呼吸。

まるで世界からふたりだけが切り取られたような、優しい夜だった。

「ひより、今までの中で……一番綺麗だよ。」

その言葉がくすぐったくて、嬉しくて、私は思わず顔を背けてしまった。

「……もう、言わないで。」

「俺を見つめて。」

玲央さんの声が、低く優しく響く。

そっと彼の瞳を見上げたその瞬間──

ああ、変わってない。

この人の瞳に、私は惹かれてしまったんだ。

あの日、初めて出会ったあの瞬間から。
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