15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
母の返事はどこか意味深で、私は内心ヒヤリとする。

でも、母なりの歓迎の言葉だと信じたい。

玄関に並べられたスリッパ。

今日は来客用の、あまり使わない白地に刺繍の入ったものが用意されていた。

母はそれを玲央さんに手渡し、そのまま彼を応接間へと案内する。

応接間――

いつもは使わないその部屋に、一歩足を踏み入れた玲央さんは、一瞬だけ足を止めた。

私も、つい目を丸くする。

「えっ……ここ、こんな部屋だった?」

ただ大きなテーブルがあるだけのはずの部屋には、

床の間に掛け軸が飾られ、テーブルの中央には季節の花が生けられた花瓶が置かれている。

テーブルクロスさえ敷かれていて、まるで料亭の個室みたいになっていた。

そっとキッチンに顔を出すと、母が湯呑みにお茶を注いでいるところだった。

「ねえ、お母さん。どうしたの? 応接間、やたら整ってたけど……」
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