15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
私は息をのんで、父の返事を待った。

……そして。

「……はぁー……」

父は、大きなため息をついた。

そしてぽつりと、笑うように、でもちょっと悔しそうに言った。

「……そこまで言うんだったら──結婚させましょうか。」

「えっ……」

その言葉に、今度は私が驚いた番だった。

「ただし。」

父は玲央さんをぐっと見据える。

「“大切にする”っていうのは、口で言うほど簡単じゃない。娘を守るってことは、家族として、ずっと背負うってことだからな。」

玲央さんは真剣にうなずいた。

「もちろんです。覚悟してます。」

「……よし。」

父が笑った。その笑顔は、少しだけ照れくさくて、少しだけ嬉しそうだった。

この日、私たちは家族としての“はじまり”を、ようやく父に認めてもらえた気がした。
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