15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「やっぱり……若すぎるんじゃないかって、思ってますのよ。」

お母さんが、穏やかな口調で、けれどはっきりとそう言った。

その言葉に、空気がすっと冷えた気がした。

「二十歳という年齢で、結婚というものの“重み”を、どれだけ分かっていらっしゃるのかしら。玲央は、もう三十五歳。会社の顔でもあり、責任ある立場です。支えるには、覚悟と成熟が必要だと思っておりますの。」

言葉に刺すような棘はなかった。

けれど、そこには確かな“見極め”の視線があった。

私は喉の奥が乾くのを感じながらも、静かに言葉を選ぶ。

「……はい、おっしゃる通りです。」

一言ずつ、噛みしめるように続けた。

「私は、まだ若いです。だから未熟なところも、至らない点もたくさんあると思います。でも……だからこそ、玲央さんと一緒に、“歩んで”いきたいんです。」

言いながら、少し手が震えた。

でも、逃げたくはなかった。

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