15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「お、お父さん……⁉」

なんと、私の父が、目元を真っ赤にして泣いている。

「ちょっとお父さん、ここで泣かないで……!」

小声で必死に止めようとしたけれど、父はもう堪えきれなかったらしい。

「ひより……いつの間に、そんなに大人になって……!」

ぐっと鼻をすすり、目尻をぬぐいながら、父は感極まったように立ち上がった。

そして次の瞬間──

父は、玲央さんのお父さんに向かって、深々と頭を下げた。

「どうか、娘を……良い方向にお導きください。社長!」

その一言に、部屋の空気が一瞬止まった。

「……っ!?」

玲央さんのお父さん──会長がピクリと反応し、目を光らせた。

「……今、なんと?」

重々しく低い声。

一瞬で、会長の“ビジネスモード”の顔に切り替わる。

「俺を“社長”と呼ぶ者は、限られているはずだ……ん? 君はっ!」

その瞬間、会長が勢いよく立ち上がった。
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