15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
玲央さんは、私の腕をそっと握った。包み込むように、でも力強く。

「どんなに遅くなっても、来るから。」

私は、こくこくと何度もうなずいた。

涙が止まらなくて、でも今度は――嬉しくて流れる涙だった。

彼の存在が、こんなにも安心をくれるなんて。

大人の人なのに、こんなにもまっすぐに優しいなんて。

……もう少し、好きになってもいいですか?

数日後、主治医の先生が病室に入ってきた。

「頭痛もおさまりましたし、後遺症の兆候も見られません。退院して、ご自宅で安静に過ごされるのがいいでしょう」

ああ、そうか。もうすぐ――退院。

ふいに胸の奥がきゅっとした。

……玲央さんには、また会えるのかな。

「いつ頃になりそうですか?」と、少し躊躇ってから尋ねる。

「そうですね。週明けあたりはいかがでしょう?」

「そうですね」と、私は笑った。
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