15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
笑ったつもりなのに、なぜか心の奥に小さなしこりが残る。

すると、近くで聞いていた看護師さんがふふっと笑った。

「よかったですね。あの彼氏さん、ずっと毎日通ってくれてましたもんね」

「か、かれ……し……?」

「え?違うんですか?」

看護師さんは、まるで当然のような顔をしている。

違うと言えば、がっかりされたような気がして、私は笑ってごまかした。

「いえ、あの……本当に、よくしてくださって。」

頬がぽっと熱くなる。

彼氏でもなんでもない。でも――たしかに、毎日来てくれた。

あの人の声、香り、仕草。それがどんどん私の中に染み込んでいた。

……もう少し、このままでもよかったのに。

退院が嬉しいはずなのに、なんだか寂しい。

その日の夜も、玲央さんは病室に現れた。

いつものように、やさしい笑顔とともに。

私は勇気を出して伝えた。

「週明けに、退院できるそうです」
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