15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「普通か。……俺は、この一週間、楽しかったよ。」

玲央さんが穏やかに笑いながらそう言った瞬間、胸の奥にじわりと何かが広がっていくのを感じた。

「私もです。」

言葉にして初めて、自分がどれほどこの時間を大切にしていたのかを実感した。

気づけば、私はそっと手を差し出していた。

玲央さんは、何も言わずにその手を握ってくれる。

大きな手のぬくもりが、まるで心の奥まで届くようだった。

「君に出会えてよかった。」

その一言に、涙があふれた。

うれしくて、さみしくて、あたたかくて、全部が混ざっていた。

「私も、嬉しかったです。」

震える声で、なんとか伝える。

それが、今の私にできる精一杯だった。

「あなたを助けて……よかった。」

もし、あの日助けていなければ。

もし、こうして出会っていなければ。

この人の優しさにも、この気持ちにも、触れることはなかった。
< 45 / 297 >

この作品をシェア

pagetop