15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
たぶん、車で送ってくれて、玄関で「じゃあね」って笑うんだ。

そうしたら――きっと、それっきり。

「……ありがとう」って言って、終わるんだ。

それが当たり前のはずなのに、どうしてこんなに切ないんだろう。

私の中に、ひとつの想いが溢れかけていた。

「……もっと会いたい。」

声に出した途端、胸がきゅっと締めつけられる。

その気持ちは、もうごまかしようがなかった。

好きだ。

私、玲央さんのことが好き。

優しい声も、穏やかなまなざしも、全部――あの人が私の毎日にいてくれることが、嬉しかった。

ずっとそばにいたい。

この一週間、彼がそっと椅子に座って、静かにいてくれたように。

私の中に芽生えたこの想いが、明日、終わってしまうなら。

せめて、伝えたい。

でも――それは、わがままだろうか。

私は、メッセージカードの裏に、黒のボールペンで小さく綴った。

「好きです」

たったそれだけの文字が、まるで心の奥を削り取るように震えている。

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