15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「えっと……工藤坂の方です。」

「OK。工藤坂ね。」

それだけのやり取りなのに、

玲央さんが“私の家”を知ろうとしてくれていることが、嬉しかった。

静かな車内。

隣にいる彼の気配を感じながら、私は窓の外に目を向ける。

帰り道なのに、

もうすでに、彼の温もりが恋しい気がしていた。

「工藤坂って、いいところに住んでるね。」

玲央さんが、ちらりと私に視線を送る。

私はフッと笑った。

「表は高級住宅街ですけど、裏に入るとそうでもないんですよ。」

「そうなんだ。」

玲央さんは意外そうな顔をしながら、窓の外に目を向けた。

そう。
表通りには高級マンションがずらりと並び、緑の整備もされていてとても綺麗。

けれど、私の住んでいる“裏側”は、昔ながらの木造アパートが立ち並ぶ、どこか懐かしい景色の残る通りだった。

「でも、そういうところが、私……けっこう好きなんです。」
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