15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「へぇ。」

玲央さんは興味深そうに私を見た。

「静かで、猫もたくさんいるし。風通しもいいし、あとは……」

ふと、口をつぐんでしまう。

言おうとしていた「ひとりになれる場所だから」という言葉を、飲み込んだ。

「落ち着くんだね。」

「はい。」

玲央さんは、何か言いかけたように唇を動かしたけれど、すぐに閉じた。

そして、しばらく沈黙が流れた後──

「ひよりさんのこと、もっと知りたいな。」

静かな車内で、その言葉は驚くほど大きく響いた。

ドキンと心臓が跳ねる。

「……急に、どうしたんですか?」

「いや、なんか……君の言葉には、ちゃんと理由がある気がして。」

「理由?」

「そう。さっき、裏の町が好きって言ったとき、すごく優しい顔してたから。」

言葉に詰まる。

そんな風に自分の表情を見ていてくれたことが、なんだか恥ずかしくて。
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