15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
玲央さんは、軽く笑ってコーヒーカップを傾けた。

その横顔は、やけに遠く感じた。

「でも、自分で選べって、簡単なようで難しいんだよ。」

「どうして……?」

玲央さんの指先が、テーブルをなぞる。

その仕草が妙に切なく見えた。

「人を好きになるって、不確かで、リスクもある。特に俺みたいな立場だとね。『この人は、俺じゃなくて“副社長”が好きなんじゃないか』って、疑う自分がいる。」

その言葉に、私は胸がチクリと痛んだ。

「……私は、玲央さん自身を見てるつもりです。」

玲央さんの瞳が、少しだけ揺れた。

「ありがとう。ひよりさん。」

そう言った声は、優しくて、でもどこか震えていた。

お店を出て、車に乗った。

「どこか行きたい場所はある?」

玲央さんが、助手席の私にそっと聞く。

「……あっ、雑貨屋に行きたいです。」

「OK。」
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