15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ね……ひよりさんの前では、親切なお兄さんでいられない。」

その言葉は、あまりにも正直すぎて、胸に刺さった。

目を伏せた玲央さんの表情には、どうしようもない苦しさが滲んでいた。

私は笑うことも、言葉を返すこともできず、ただ頷いた。

「……分かりました。今日は、ありがとうございました。」

それだけを告げて、ドアノブに手をかけた。

「家まで送るよ。」

玲央さんが静かに言う。

けれど私は、顔を見せないようにしながら言葉を返した。

「……ああ、ここから近いので。」

俯いたまま、ドアを閉める。

エンジン音がかすかに響く中、私は足を前に踏み出した。

背中に感じる視線を、振り返ることはなかった。

でも、歩き出した足がやけに重くて、涙が滲むほどだった。

「歳の差って、そんなに重要なことなの……?」

ぽつりと呟いた言葉は、夜の空気に吸い込まれていく。
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