15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
家まで送ってもらった帰り道。

「じゃあ。」

そう言って玲央さんは、ほんの少し寂しそうに笑った。

私は「はい」と微笑んで、車のドアを閉めた。

それだけだった。

連絡先も、名前以外のことも何も知らないまま。

ほんの数時間の出来事が、まるで夢だったかのように遠ざかっていく。

その夜。

眠れなくて、私は玲央さんのブログを開いた。

会社の広報サイトに繋がっている“副社長の一日”というコーナー。

何気なくスクロールしたその先に、見覚えのある色が目に入った。

ミントグリーンの――マグカップ。

副社長室の洗練されたデスクの上に、ぽつんと置かれていたそれは、私が贈ったものだった。

思わず息を呑む。

投稿には、こう綴られていた。

「この歳で、初めて。」
-親しい友人から頂きました。マグカップをプレゼントしてもらったのは、人生初です。ー
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