女王陛下のお婿さま

「だから私は、クリストフに自分からプロポーズしたの。私と結婚して、貴方も幸せになってください! って」

「ええ! お母様からプロポーズを?!」

 エメリナはまるで悪戯をした子供のように、頷きながら微笑んだ。

「……お母様。私……私も、幸せになれるのかしら……」

 そんなアルベルティーナをエメリナはギュッと抱きしめる。

「もちろん、当たり前じゃない。貴方は女王でもあるけど、ハレルヤ王国の一人の女性でもあるのよ? このハレルヤ王国は、誰でも幸せになれる権利があるはずよ。でもそれには、貴方自身が努力をしなくてはね」

 アルベルティーナは母親の胸に身を預け、目を閉じた。

「お母様、ありがとう。私、きっと幸せになるわ……」

「もう一つ、良いことをティナに教えてあげる」

「なに?」

「クラウスは今、部屋に残した荷物を取りに、この城へ来ているわよ」

 エメリナの言葉に弾かれたように立ち上がると、自分の着ているドレスの長くて膨らんでいる裾を両手でたくしあげる。

「ありがとう! お母様!」

 泣き出しそうで、でも嬉しそうな笑顔でアルベルティーナは衣装部屋を走り出て行ったのだった。





< 102 / 110 >

この作品をシェア

pagetop