女王陛下のお婿さま
食事が終わり、食後のお茶を楽しみながら歓談していると、不意にクリストフはアルベルティーナに言った。
「ティナ、若いお前たちには老人の話は退屈だろう。ルイ王子に城を案内したらどうだい?」
確かに……いつもなら公務の後の会食は、相手との親睦と信頼を深める為の歓談が大切になるのだが、今はそれも一通り終わり。クリストフとマクシムは体調の事や健康法などを話題にしていた。
年配の二人には重要な話しなのかもしれないが、若いアルベルティーナとルイにとっては、ただただ退屈で。お互いが欠伸を噛み殺しているのが分かるくらいだった。
「……そうですね、お父様。じゃあ失礼して、参りましょう、ルイ王子」
アルベルティーナに促されて立ち上がったルイ王子に、給仕をしていた侍女たちから思わず感嘆の声が上がった。
アルベルティーナより二つほど年上のルイは、スラリとした細身の身体に絹糸の様な金髪。ブルーサファイアの瞳は美しく輝き、温厚で優しそうな印象。野獣系王子のファビオとは対照的な、おとぎ話の中から出てきた妖精のような風貌だったのだ。侍女たちが騒ぐのも納得だ。
思わず歓声を上げてしまった侍女をマイラが視線で叱っているのを横目で見ながら、アルベルティーナはルイと部屋を後にした。
◇
「ティナ、若いお前たちには老人の話は退屈だろう。ルイ王子に城を案内したらどうだい?」
確かに……いつもなら公務の後の会食は、相手との親睦と信頼を深める為の歓談が大切になるのだが、今はそれも一通り終わり。クリストフとマクシムは体調の事や健康法などを話題にしていた。
年配の二人には重要な話しなのかもしれないが、若いアルベルティーナとルイにとっては、ただただ退屈で。お互いが欠伸を噛み殺しているのが分かるくらいだった。
「……そうですね、お父様。じゃあ失礼して、参りましょう、ルイ王子」
アルベルティーナに促されて立ち上がったルイ王子に、給仕をしていた侍女たちから思わず感嘆の声が上がった。
アルベルティーナより二つほど年上のルイは、スラリとした細身の身体に絹糸の様な金髪。ブルーサファイアの瞳は美しく輝き、温厚で優しそうな印象。野獣系王子のファビオとは対照的な、おとぎ話の中から出てきた妖精のような風貌だったのだ。侍女たちが騒ぐのも納得だ。
思わず歓声を上げてしまった侍女をマイラが視線で叱っているのを横目で見ながら、アルベルティーナはルイと部屋を後にした。
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