女王陛下のお婿さま
ダンスの後で喉も乾いていたから、すぐに飲み干してしまった。アルベルティーナは空になったそれを、マイラへ返しつつ尋ねる。
「……ねえ、マイラ。クラウスは帰って来た?」
「クラウスですか? いえ、まだのようですね」
ファビオは、舞踏会には間に合うように帰って来ると言っていた。それなのに……
アルベルティーナは急に心配になってしまった。
何処へ使いに出たのかは知らないが、帰り道に事故にでも遭ったのではないか。安全な場所へ行っているとは限らない。盗賊や無法者に怪我をさせられてしまったのではないだろうか。
クラウスの両親の事を思いだした。彼らも出掛けた先で事故に遭い、二度と会えなくなってしまったおじ様とおば様……
「マイラ……! 少しの間、ここを出てもいいかしら」
アルベルティーナは不安で心配でたまらなくなってしまった。いますぐ舞踏会なんて終わりにして、クラウスを探しに行きたかった。でも……
「何を仰るんですか、アルベルティーナ様! 舞踏会を抜け出すなんて、いいわけないじゃないですか!」
マイラの反応は当然のものだった。今夜は特別な舞踏会だ。それを主催している女王が会場を抜け出すなんて良いわけがない。
立ち上がりかけたのを堪え、再び玉座に腰を沈める。そして、大丈夫クラウスはきっと帰ってくる……そんな風に自分に言い聞かせていた。
「――アルベルティーナ女王陛下、蜂蜜酒はいかがでしたか?」
そんな時、そう言いながら彼女の前に立ったのは、ルイだった。どうやらやっと、ご令嬢たちの群れから逃れられたみたいだ。
「え……? あ、ええ、ありがとうございました……」
クラウスの事を考えていたせいで、そんな上の空な返事をしてしまった。
「……ねえ、マイラ。クラウスは帰って来た?」
「クラウスですか? いえ、まだのようですね」
ファビオは、舞踏会には間に合うように帰って来ると言っていた。それなのに……
アルベルティーナは急に心配になってしまった。
何処へ使いに出たのかは知らないが、帰り道に事故にでも遭ったのではないか。安全な場所へ行っているとは限らない。盗賊や無法者に怪我をさせられてしまったのではないだろうか。
クラウスの両親の事を思いだした。彼らも出掛けた先で事故に遭い、二度と会えなくなってしまったおじ様とおば様……
「マイラ……! 少しの間、ここを出てもいいかしら」
アルベルティーナは不安で心配でたまらなくなってしまった。いますぐ舞踏会なんて終わりにして、クラウスを探しに行きたかった。でも……
「何を仰るんですか、アルベルティーナ様! 舞踏会を抜け出すなんて、いいわけないじゃないですか!」
マイラの反応は当然のものだった。今夜は特別な舞踏会だ。それを主催している女王が会場を抜け出すなんて良いわけがない。
立ち上がりかけたのを堪え、再び玉座に腰を沈める。そして、大丈夫クラウスはきっと帰ってくる……そんな風に自分に言い聞かせていた。
「――アルベルティーナ女王陛下、蜂蜜酒はいかがでしたか?」
そんな時、そう言いながら彼女の前に立ったのは、ルイだった。どうやらやっと、ご令嬢たちの群れから逃れられたみたいだ。
「え……? あ、ええ、ありがとうございました……」
クラウスの事を考えていたせいで、そんな上の空な返事をしてしまった。