女王陛下のお婿さま
「大丈夫ですか……? お顔の色が悪いようですが」
クラウスを心配しているのが顔に出てしまっているのかもしれない。アルベルティーナはそれを隠すように無理に笑顔を作った。
「だっ、大丈夫です! それよりルイ王子、舞踏会はお楽しみ頂けてますか?」
「ええ、勿論です。このような絢爛豪華(けんらんごうか)な舞踏会は初めてで、少々興奮しております」
見ると、ルイの頬は高揚したように少し赤い。本当に楽しんで興奮しているようだ。
「ご気分がよろしいようでしたら、アルベルティーナ様。僕とも一曲、踊って頂けませんか?」
「え、ええ、喜んで……」
とても踊るような気分ではなかったが、先にファビオと踊ってしまっている。ここでルイの誘いを断るわけにはいかない。差し出されたルイの手に手を重ねると、アルベルティーナは立ち上がり、広間の中心へ向かった。
ルイのダンスも、なかなかのものだった。二人が曲に合わせてクルクルと回る度、その美しさに人々から感嘆のため息が零れる。
しかしアルベルティーナは……
曲が進むにつれ、息が上がってくる。それほど激しくステップを踏む曲では無い。それなのに何故か、心臓の鼓動も速くなっていった。やがてハアハアと息遣いまで荒くなり、それにルイも気がついた。
「……大丈夫ですか? アルベルティーナ様」
「え、ええ……」
どう見ても大丈夫では無かった。これだけ動いているというのに、頬は高揚するどころか血の気の無いように白くなってゆく。
(どうしたのかしら、私……)
アルベルティーナにもどうしてなのか分からなかった。しかしどうにも苦しくて、まだ曲は続いているというのにとうとう足を止めてしまった。
「アルベルティーナ様?!」