女王陛下のお婿さま

「クラウス! バート大佐からの伝言を預かってきたの!」

 クラウスが待っていたのはバート大佐。アルベルティーナが子供の頃、警護してくれていたハレルヤ王国軍の大佐だ。

 マイラはその彼からの言葉をクラウスに伝えた。

「準備は整った、何時でも行け、ですって。どういう事なの、クラウス! 一体、何が起こってるの?!」

 彼女の言葉に、クラウスはヨハンと視線で頷き合う。

 ――機は熟したのだ。

「マイラ、話は後だ。これから大広間へ乗り込む。マイラは馬を頼む。後は危険がないように、城を包囲しているバート大佐たちと一緒にいてくれ」

 クラウスはそう言うと、馬の手綱をマイラへ渡し城へ向かって歩き出す。ヨハンと、彼と数名の同じように鎧にローブ姿の男たちがそれに続いた。

 マイラが心配そうにクラウスの背を見つめていると、彼はその視線に気付いたのか。振り返って彼女を安心させるように、少し笑顔を見せた。

 そしてまた、前を向くとそのまま真っ直ぐ進んで行った。





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