女王陛下のお婿さま
ファビオはおもむろに立ち上がると、ツカツカとクラウスに近づいた。そして彼の胸ぐらを掴み、ぐいと無理矢理立ち上がらせる。
「ファビオ王子……?」
怒っているように自分を見つめるファビオに声を掛けた瞬間――鋭い拳がクラウスの胸を打ち抜いた。その衝撃でクラウスの身体はソファに倒れ込んだ。
胸を殴られた衝撃でクラウスは苦しそうに咳込む。それを上から見下ろしながら、ファビオはまた問いかけた。
「お前はいつまで自分のそこに、嘘をつき続けるんだ?」
ファビオが殴ったのは、胸……クラウスは痛むその場所に手を当てた。
皮と筋肉、骨、心臓……そしてその奥深くには、クラウスがずっとひた隠しにしている――
心……
ファビオは、クラウスの心を撃ち抜いたのだ。
「俺は……もう、ティナを守ってやる事は出来ない……だから……」
痛む胸から吐き出した言葉。それは、ファビオに引き出された本心だった。
「お前はもう少し、頭のいい奴だと思っていたんだがな」
「え……?」
「お前がそうして腐ってる間に、俺はアルベルティーナと結婚する。婚姻の式にぐらいは呼んでやるから、それまでせいぜい腐り果てとけ」
怒っているような早口でファビオは捲し立てると、そのまま従者を連れて部屋を出て行ってしまった。
◇
「ファビオ王子……?」
怒っているように自分を見つめるファビオに声を掛けた瞬間――鋭い拳がクラウスの胸を打ち抜いた。その衝撃でクラウスの身体はソファに倒れ込んだ。
胸を殴られた衝撃でクラウスは苦しそうに咳込む。それを上から見下ろしながら、ファビオはまた問いかけた。
「お前はいつまで自分のそこに、嘘をつき続けるんだ?」
ファビオが殴ったのは、胸……クラウスは痛むその場所に手を当てた。
皮と筋肉、骨、心臓……そしてその奥深くには、クラウスがずっとひた隠しにしている――
心……
ファビオは、クラウスの心を撃ち抜いたのだ。
「俺は……もう、ティナを守ってやる事は出来ない……だから……」
痛む胸から吐き出した言葉。それは、ファビオに引き出された本心だった。
「お前はもう少し、頭のいい奴だと思っていたんだがな」
「え……?」
「お前がそうして腐ってる間に、俺はアルベルティーナと結婚する。婚姻の式にぐらいは呼んでやるから、それまでせいぜい腐り果てとけ」
怒っているような早口でファビオは捲し立てると、そのまま従者を連れて部屋を出て行ってしまった。
◇