ハイエナ令嬢:幼なじみの年下魔王
3:深窓のハイエナ令嬢、逆襲誘惑す! ☆H(改定ソフト版)
※「露骨にやり過ぎた」(H描写)ためなのか(?)、宣伝ボタンを押してもなかなか表示されない様子。そこで改定したソフト版にしました。
1
「今日は大変だったな。助かった、ありがとう」
キランがアレクの頬にキスすると、アレクは避けもしなかった。これまでにも、何度もやったことはあって、そのたびに「子供扱いして」などとわざとらしく拗ねてみせたり、たまに反抗的に避けたりもされたものだが。
このときは様相が違っていた。
「キラン」
「え」
褐色のまだらみたいな髪の毛と頭を、両手で左右から抱きつくみたいに押さえつけられる。その手は大きく力強くなっていて、背の高さまでもいつのまにか同じくらいになっていて。
顔が近づいて、ぐっと強く唇同士を押しつけられてしまう。吐息が止まるほどに。
キランは驚きに目を見開いたが、ものの三秒で受け入れて目を細める。数秒押しつけて脈が伝わってくるようだったが、とうとう自分から舌を出して舐めてしまう。夕食のシチューの味。やがて舌が触れあったときに頭の中がカッと熱くなる。
二十秒くらいだっただろうか。
キスから解放されたときには甘い吐息が弾むようで、心臓がトクントクンしていた。
「キラン、女みたいな顔してるぞ」
「だってわたしだって女だし」
張本人のアレクの方がよっぽど平然としていて、少し上気して興奮した気配で、からかいなのか照れ隠しなのかわからないことを言う。
「嫌だった?」
「そんなこと、ない、けど」
頭の中が朦朧としたみたいだった。
キランは自分がこういうときが来るのを待ち受けていたと思い知ってしまう。
「けど?」
「・・・・・・もっとして欲しい」
「・・・・・・」
「今晩は、わたしの部屋で泊まってくよね?」
キランの問いかけとお誘いにアレクは頷いた。
2
「ミーシャ、ニヤニヤしてる」
「そう?」
妹の髪を櫛で梳かしてやりながら、あえてしらばっくれる姉に、ルチアはニンマリとして「知ってるよ」という顔になる。
「キランさん、私たちのほんとの「お姉さん」になるんでしょ? 変な女よりは、その方がいいもん」
危惧すべきなのは、あの「鬼ババア」(異母姉のサビーナ)が臆面もなく厚かましくも、アレクセイを(愛人の一人として)狙っていることだ。彼女たちの母親のサリーを陥れて始末した事件でも(サビーナは純血魔族の誇りが強く、父侯爵が人間の後妻や愛妾を持つのを快く思っていなかった)、裏で関わっていたらしいし(他の魔族魔王たちと駆け引きしながら共謀してわざと犠牲にしたようだ)、娘であるミーシャやルチアのことも敵視している。そのくせ、男兄弟のアレクセイのことはさほど嫌っておらず、むしろ側近の配下に望んでいる節があるのだった。
サビーナは恐ろしくおぞましい魔族の女伯爵だが、容姿だけはうら若い絶世の美女だったし、「魔族アイデンティティ」にこだわるアレクセイが色気で籠絡されたら悪夢だった。サビーナからすれば、息子や兄弟を奪って取り上げるのも、不愉快な「下等で小汚い泥棒猫」サリーとその娘たちに侮辱と絶望を与えることになる。
この危機を未然に防ぐにはキランに身体を張って貰うしかない。元々が本人も乗り気だったことではあるし、予定を繰り上げただけ。姉妹も示し合わせて了承済みみたいなものだった。
いざとなれば候補としてはミーシャ自身もいるが、やっぱり父違いの実の姉であるミーシャとしては感情が「最愛の弟」だから、本格的な恋愛や結婚の対象としては不向きだった(魔族でなく人間なのだから、いくら愛していても近親結婚までは心理的に抵抗がある)。そこで姉心としては「自分とつまらない関係で囚われるよりは良い嫁を貰ってやりたい」らしい。
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「今日は大変だったな。助かった、ありがとう」
キランがアレクの頬にキスすると、アレクは避けもしなかった。これまでにも、何度もやったことはあって、そのたびに「子供扱いして」などとわざとらしく拗ねてみせたり、たまに反抗的に避けたりもされたものだが。
このときは様相が違っていた。
「キラン」
「え」
褐色のまだらみたいな髪の毛と頭を、両手で左右から抱きつくみたいに押さえつけられる。その手は大きく力強くなっていて、背の高さまでもいつのまにか同じくらいになっていて。
顔が近づいて、ぐっと強く唇同士を押しつけられてしまう。吐息が止まるほどに。
キランは驚きに目を見開いたが、ものの三秒で受け入れて目を細める。数秒押しつけて脈が伝わってくるようだったが、とうとう自分から舌を出して舐めてしまう。夕食のシチューの味。やがて舌が触れあったときに頭の中がカッと熱くなる。
二十秒くらいだっただろうか。
キスから解放されたときには甘い吐息が弾むようで、心臓がトクントクンしていた。
「キラン、女みたいな顔してるぞ」
「だってわたしだって女だし」
張本人のアレクの方がよっぽど平然としていて、少し上気して興奮した気配で、からかいなのか照れ隠しなのかわからないことを言う。
「嫌だった?」
「そんなこと、ない、けど」
頭の中が朦朧としたみたいだった。
キランは自分がこういうときが来るのを待ち受けていたと思い知ってしまう。
「けど?」
「・・・・・・もっとして欲しい」
「・・・・・・」
「今晩は、わたしの部屋で泊まってくよね?」
キランの問いかけとお誘いにアレクは頷いた。
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「ミーシャ、ニヤニヤしてる」
「そう?」
妹の髪を櫛で梳かしてやりながら、あえてしらばっくれる姉に、ルチアはニンマリとして「知ってるよ」という顔になる。
「キランさん、私たちのほんとの「お姉さん」になるんでしょ? 変な女よりは、その方がいいもん」
危惧すべきなのは、あの「鬼ババア」(異母姉のサビーナ)が臆面もなく厚かましくも、アレクセイを(愛人の一人として)狙っていることだ。彼女たちの母親のサリーを陥れて始末した事件でも(サビーナは純血魔族の誇りが強く、父侯爵が人間の後妻や愛妾を持つのを快く思っていなかった)、裏で関わっていたらしいし(他の魔族魔王たちと駆け引きしながら共謀してわざと犠牲にしたようだ)、娘であるミーシャやルチアのことも敵視している。そのくせ、男兄弟のアレクセイのことはさほど嫌っておらず、むしろ側近の配下に望んでいる節があるのだった。
サビーナは恐ろしくおぞましい魔族の女伯爵だが、容姿だけはうら若い絶世の美女だったし、「魔族アイデンティティ」にこだわるアレクセイが色気で籠絡されたら悪夢だった。サビーナからすれば、息子や兄弟を奪って取り上げるのも、不愉快な「下等で小汚い泥棒猫」サリーとその娘たちに侮辱と絶望を与えることになる。
この危機を未然に防ぐにはキランに身体を張って貰うしかない。元々が本人も乗り気だったことではあるし、予定を繰り上げただけ。姉妹も示し合わせて了承済みみたいなものだった。
いざとなれば候補としてはミーシャ自身もいるが、やっぱり父違いの実の姉であるミーシャとしては感情が「最愛の弟」だから、本格的な恋愛や結婚の対象としては不向きだった(魔族でなく人間なのだから、いくら愛していても近親結婚までは心理的に抵抗がある)。そこで姉心としては「自分とつまらない関係で囚われるよりは良い嫁を貰ってやりたい」らしい。