拾った猫が連れてきたのは傷だらけの不良くんでした
……似てるな、

(俺に)
あの時の無力な子供に


「はぁ」


ため息をつき、部屋を出る。部屋を出て少し歩き右に行くとリビングがあった。


リビングにいき、少しの申し訳なさと共にタオルを取り水で冷やす


女の部屋に戻り、水で冷やしたタオルを女の額に当てる。


……はぁ、……俺、何してんだろ。


苦しそうにしていた女は先程よりかは顔色が良くなっていた。


女のいる場所なんて信用出来ない


女は、男に襲われたら恐怖する。


だが、それは男だって同じなわけで……


どれだけ誠意を見せられようがあの時の”トラウマ”は簡単に消えないし、消えてくれない。


一刻も早く女の居るこの空間から抜け出したい。


こんな家出ていきたい


「……ま、帰る場所なんてねぇのにな、」


ポツリと呟いたその一言が虚しく部屋に響いた





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