ポーカーフェイスの二人は相思相愛で甘々で

6★

雪乃の部屋。ベッドの上。

雪乃はタオル一枚のまま、ベッドに横たわっていた。
蓮はその上に覆いかぶさるようにして、濡れた髪をそっと指で梳く。

「……雪乃、髪からいい匂いする。」

「蓮が洗ってくれたから。」

「ずっと触ってたい。」

「触って……いいよ。」

雪乃の声は小さく震え、瞳がとろんと潤んでいる。
無表情を保とうとしているのに、身体は正直だ。

蓮は雪乃のタオルの端をそっと持ち上げる。

「……外していい?」

「うん……。」

雪乃が頬を赤く染め、目を伏せる。

「見ないでって言いたいけど……見てほしい。」

「雪乃……可愛すぎる。」

タオルがゆっくり滑り落ちると、湯気でほのかに上気した雪乃の肌が現れた。
蓮は息を詰めたまま、一瞬目を閉じる。

「……全部、おれのものだって思う。」

「うん。……蓮のものだよ。」

「雪乃……触るよ?」

「……触って。」

蓮が雪乃の鎖骨から胸元へと、指をそっと滑らせる。
雪乃は細い声で吐息を漏らす。

「……んっ……」

「声、我慢しなくていい。」

「……だめ。恥ずかしい……。」

「雪乃しかいない部屋で、なんで恥ずかしいの。」

「だって……蓮が、いやらしい目で見てるから。」

「だって……可愛すぎるんだもん。」

雪乃は蓮の胸をかすかに叩くが、そのまま手を止めて、蓮の指を自分の胸元に誘った。

「……触ってほしいの、ここ。」

蓮の喉がごくりと鳴る。

「雪乃、今日は……赤ちゃん作る?」

雪乃がピクリと震え、目を見開いたまま蓮を見つめた。

「……蓮が欲しいなら……作ってもいい。」

「本当にいいの?」

「うん」

蓮は雪乃の頬を両手で包み、そっと額を寄せる。

「おれも……雪乃との赤ちゃんほしい」

雪乃の瞳が潤み、唇が小さく震える。

「……どんな赤ちゃんがいい?」

「雪乃に似たらいい。……泣き虫でも、甘えんぼでも、絶対おれが守る。」

「……わたしも、蓮に似てほしい。やさしくて、強くて……でも、変態なのはやだ。」

「変態じゃない。雪乃限定。」

「……変態だよ、蓮。」

「雪乃も、もう変態だよ。」

「……ばか。」

雪乃が顔を赤くして、蓮の胸に額を押しつける。

「……身体の奥が熱くなる」

「……雪乃、それ……すごいこと言ってるって分かってる?」

「分かってる。……でも、蓮にしか言えない。」

蓮の瞳が獣のように細まり、雪乃をベッドに押しつける。

「じゃあ、雪乃……教えて。どんなふうにされたい?」

「……蓮にいっぱい、優しく触ってほしい。」

「どこを?」

「全部……。」

蓮は雪乃の首筋に口づけを落とし、ゆっくりと肌を這わせるように唇を滑らせる。
雪乃が甘い声を漏らすたび、蓮の吐息も荒くなる。

「……雪乃……」

「……ん……蓮……。」

二人の会話はやがて途切れがちになり、触れるたびに熱い吐息と声が交じり合う。

雪乃がふいに耳元で小さく囁く。

「……ねえ、もし赤ちゃんできたら……名前、どうする?」

蓮は雪乃の髪をかき上げながら、低い声で答えた。

「雪乃が産んでくれるなら、どんな名前でもいい。でも……」

「でも?」

「雪乃の名前、入れたい。」

雪乃の目が潤み、瞳を揺らす。

「……蓮、好き。赤ちゃんできても、絶対蓮のこと一番好きだから。」

「おれも。雪乃が一番。」

雪乃が蓮の首に腕をまわし、深いキスを交わす。

「……蓮と赤ちゃん作りたい気持ちも、蓮にいっぱい触れられたい気持ちも、どっちも本当なの。」

「……じゃあ、どっちも叶えよう。」

「……うん。」

その夜。

雨音が遠くで消えていくころ、雪乃の部屋では、静かな二人だけの世界が熱を増しながら深く重なっていった。

未来の話をしながら、二人は何度もお互いを求め合う。

そしてどこまでも甘く、どこまでも熱く、二人の愛は溺れていった。

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