俺様な忠犬くんはご主人様にひたすら恋をする

【おまけ】キスマークの行方

──あの夜。 

初めての二人での出張。

やっと触れられる距離まできた。ようやく、手に入れたぬくもり。

大事に、大事に抱きしめて、
これからは全部、俺の手で包もうと思ってた。

優しく、焦らず、そう思っていたのに──

「……寝てる、だと?」

信じられなかった。
あんなに、何度もキスをして、これからってときに。

まさか途中で寝落ちするなんて。

「……くっそ、寝顔は可愛いけど…っ」

静かに寝息を立てる瑞希の頬を指先でなぞりながら、俺は一人で勝手にじたばたしてた。
それでも、可愛くて仕方ない。
けど──。

「……仕返し、してやる」

俺はそっと、彼女のブラをずらす。形のいい胸があらわになる。そして、右胸下の谷間近くに唇を押しあてた。
優しく、けれど執念深く。
一度だけじゃ足りない。二度、三度と吸い付く。

「完了」

きっと、明日シャワーのときに気づくだろう。
鏡を見て、ちょっと赤くなって、恥ずかしそうにする瑞希の顔が目に浮かぶ。
そして絶対に俺を睨む。その顔すら愛しい。

「ざまーみろ。これから覚えてろ」

俺は彼女を洋服を整え、抱きしめた。
今度は、最後まで起きてろよな──瑞希。
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