好きとキスの嵐
そこから、たっぷり一分間…彼女は、顔を真っ赤にして、時々俯いたり視線を泳がせた。
そして、最終的にはきゅうっとスカートを握り締めてから。

「私なんかでもいいの?…宮崎くんめちゃくちゃモテるし…ファンの子に刺されちゃいそう…」

と、今度は困ったようにへにゃりと力なく笑って来た。


だから、俺は間髪入れずに、なんなら被り気味で、


「それはない。もしそんなことがあるようなら、全力で俺が守るから…だから付き合ってくれませんか?」

と、俺は彼女に手を差し伸べた。

ドキドキと胸が痛いくらいに、早鐘を打つ。
もしも、フラレてしまっても、マネとして彼女を尊敬しているから、普通に接せられる自信はあるなんて、自分に言い聞かせて。

と、またぎゅっと目を閉じると、すぐに柔くて小さな温もりを手に感じた。


「…えっと……私も、ずっと宮崎くんのことが好きだったとか言ったら……引く?」

「…は?」

「ひ、一目惚れだったの。ほら、宮崎くんは中学の頃からバレーしてたじゃない?だから…実はこっそりお姉ちゃんと試合見に行ってたりしてて…、ごめんね、気持ちわ…」

「るくなんかない!…俺も人生初の一目惚れだったから…すごく嬉しい…」

柔らかい手を、そっと手にしたままそう言うと、彼女は余計に顔を真っ赤にして、小さい声で「嬉しい…」と言ってくれた。


わー…何この子。
可愛すぎるが大渋滞で、やばい…表情筋が崩壊しそうなんですけども!

手を繋いだままの状態で、見つめ合ってから互いにこくん、と頷いて、そこから二人の関係が変わった。



というか、そんな訳で、部活の休憩時間前だというのに、互いの気持ち確かめ合い若干の照れも合って、


「あー…俺、すっげー格好悪ぃ…」

と、頭をガシガシ掻くと、それを見た彼女は、

「じゃあ、そういう宮崎くんは、私だけのものだね?」

なんて、超絶可愛すぎる爆弾を落とされた。


「でも…あんまり公言しない方がいい?」


ゆらりと、小さく揺れる瞳。


そういうとこ!

めちゃくちゃ、守りたくなるし、何でもしてあげたくなる!!


「や。俺は公言したい。その方が牽制にもなるし」

「け、牽制…?」

「仲野、凄い可愛すぎるから…心配なんだ」


気付けば、休憩時間も始まり、彼女は真っ赤になって、

「んも〜!宮崎くんは狡い!」

ぷくり、と頬を膨らませて、此方を睨んで来る。


あー…なんなの?
天使かよ?

可愛すぎるが本当に、大渋滞なんだけど…!


そんなこんなで、二人の恋は成就した。
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