あなたに恋する保健室
「あっ、ご、ごめんっ……!」
 頬がポッと火照る感じがした。きっと今は顔が真っ赤になっているに違いない。
「京ちゃんナイス! な、なんてね、あはは……」
 誤魔化すしかない。
 こんな至近距離で、私が京ちゃんの上に乗っかるように倒れてしまったんだ。恥ずかしくないわけがない。
「……危なっかしい」
 え? 何、その顔……。
 京ちゃんは私の腕を握る力を弱める。私よりずっと背の高い彼。男前でクールな印象のある頼れるお兄ちゃんだと思っていた。
 なのに、少しだけ顔が赤らんでいるように見える。
 この時だけ、時の流れがスローモーションみたいにゆっくりに感じた。
「はい、じゃあこれ解答。記述以外の選択を丸つけしてってくれ」
「あっ、うん!」
 京ちゃんは顔を逸らして私ごとガバッと起き上がり、押し付けるように渡された解答用紙と赤ペン。
 私は一気に現実に引き戻され、冷蔵庫から麦茶を素早く取って一口だけ飲み、黙って丸つけをしていく。
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