あなたに恋する保健室
「弟が死んだ時、悲しかった。親を独り占めしててずるいなとか思ってしまった時もあったのに。いつもお姉ちゃんお姉ちゃんって呼んでたあの声をもう聞けないんだって思うと悲しかった。寂しかった」
「そうだねぇ」
私は彼女の苦しみを受け止める器になる。
今まで、悲しみに暮れる遺族の感情に触れるのが怖かった。距離を置いてしまっていた。
そんな私と決別するために、グリーフケアの勉強を何冊も本や論文を読んで勉強した。
こんな浅いものでは不足していると思うけれど、やらないよりよっぽど良い。そう思って勉強したんだ。
「先生、私ってヒドイかな」
『ここには死がたくさんある。ほら』
『これが俺なりの、優希への寄り添い方だ』
「氷室さんは、どうして自分がひどいと思うの?」
私なりの彼女への寄り添い方。
それは、めいっぱい語ってもらうこと。今まで蓋をしていた思いを放出して、自由に語ってもらう。
それが私なりの、私ができる向き合い方。
語ることで自分の気づかなかった思いにも気づける。そう信じて。
「弟をずるいと思っちゃったから……お姉ちゃんなのに」
「もっとお父さんやお母さんに気にかけてほしかった、のかな。そう思ってしまうのが罪悪感。弟さんに申し訳ない気持ち。なのかなぁ」
私も自分だけでは気づかなかった思い。
語らなければ辿り着かなかったモヤモヤとした感じ。それが言葉になった時、一気にパッと世界が澄んで見えるようになる。
「うん……」
わぁっ溢れるようにと泣き出すその姿は、過去の自分とも重なる。
私は彼女の吐き出す感情の器になれただろうか。
背中をそっとさする。それ以上は何も言わず、ただ傍にいる。
癒しの輪の中で、彼女が一歩ずつ前へ歩めたらいいなと願って。
この時私は、たしかに彼女と絆に近い何かが生まれた気がした。
「そうだねぇ」
私は彼女の苦しみを受け止める器になる。
今まで、悲しみに暮れる遺族の感情に触れるのが怖かった。距離を置いてしまっていた。
そんな私と決別するために、グリーフケアの勉強を何冊も本や論文を読んで勉強した。
こんな浅いものでは不足していると思うけれど、やらないよりよっぽど良い。そう思って勉強したんだ。
「先生、私ってヒドイかな」
『ここには死がたくさんある。ほら』
『これが俺なりの、優希への寄り添い方だ』
「氷室さんは、どうして自分がひどいと思うの?」
私なりの彼女への寄り添い方。
それは、めいっぱい語ってもらうこと。今まで蓋をしていた思いを放出して、自由に語ってもらう。
それが私なりの、私ができる向き合い方。
語ることで自分の気づかなかった思いにも気づける。そう信じて。
「弟をずるいと思っちゃったから……お姉ちゃんなのに」
「もっとお父さんやお母さんに気にかけてほしかった、のかな。そう思ってしまうのが罪悪感。弟さんに申し訳ない気持ち。なのかなぁ」
私も自分だけでは気づかなかった思い。
語らなければ辿り着かなかったモヤモヤとした感じ。それが言葉になった時、一気にパッと世界が澄んで見えるようになる。
「うん……」
わぁっ溢れるようにと泣き出すその姿は、過去の自分とも重なる。
私は彼女の吐き出す感情の器になれただろうか。
背中をそっとさする。それ以上は何も言わず、ただ傍にいる。
癒しの輪の中で、彼女が一歩ずつ前へ歩めたらいいなと願って。
この時私は、たしかに彼女と絆に近い何かが生まれた気がした。