あなたに恋する保健室

第5章

 あれから約二週間後。
 私は京ちゃんにどんな顔をして会えばいいか未だにわからないし、どうメッセージを送ればいいかわからない。
 それに京ちゃんからもメッセージが来ない。ついに連絡も来なくなったか、と落ち込み中。
「はぁ……」
「恋の悩み?」
「想像にお任せするよ」
 私はあの日見たあの女性のことが気になって仕方ない。
「保健室にも顔出さなくなったしなぁ……はぁ……」
「恋の悩みだね」
 溜め息が止まらない。
 氷室さんが私の真似をして頬杖をついている。
「今日は保健室にいようと思うよ。先生の話、聞きたいし」
 今日は氷室さんは保健室登校の日。
 毎日学校の時間割通り登校できるようになってきて、午後から教室に行ったりと、気持ちや体調に合わせて登校するスタイルを取っていた。
「お気持ちだけで十分よ、ありがとう」
「うーん。だって京ちゃん先生のことでしょ?」
「うっ……」
 さすが氷室さん。勘が鋭い。
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