お飾りの妃をやめたら、文官様の溺愛が始まりました
文翔の小さな手を、王景殿が指先で撫でる。

「これが、おまえの子か。……まるで昨日、おまえを抱いた時のことのようだ。」

景文は、ふっと目を細めた。

「あなたが育ててくださったから、私は今ここにいます。」

二人のやりとりに、私は胸が温かくなる。血のつながりなど関係なく、この人たちは本当に、家族だった。

そして――

しばらくして、私の弟たちが王都へ呼ばれた。

すべては景文の計らいだった。

「君の家族も、君と同じように守られるべきだ。」

そう言ってくれた言葉を、私は忘れない。

新しい住まいで、弟たちは学び、笑い、時に文翔と遊ぶようにもなった。

私はこの屋敷で、母となり、妃として歩き出す。

風に揺れる花の香りが、遠い日々の記憶を連れてくる。

あの冷たい屋敷で、肩を寄せ合って生きてきたあの頃。

それを思えば、今は夢のようだった。

――私の人生も、これから花開くだろう。

それは、誰かに与えられた幸せではない。

私自身が、掴み取ったものだから。


ー End -
< 100 / 100 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:25

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

マッチングした相手は片想いの社長でした

総文字数/94,306

恋愛(オフィスラブ)295ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらは漫画版もあります。 https://www.amazon.co.jp/dp/B0HHH1DD6S
AI漫画作成日記

総文字数/1,403

その他3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
小説家として20年弱活動してきた私が、AI漫画作家になった理由

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop