お飾りの妃をやめたら、文官様の溺愛が始まりました
彼女もまた、私と同じように疲れた目をしていた。

「昨夜の……周大臣のこと。本当のお話でしょうか?」

「……確かめようがないわ。」

私は首を横に振った。

「だって、三年経っても寵愛を受けない妃なんて、ほとんどいないのでしょう?」

後宮の妃はみな、美しく、賢く、皇帝の寵を受けるために競い合っている。

私だけが、取り残されていた。

目の前の侍女も、何も言えずにうつむいている。

まるで、言葉を交わせばその不安が真実になってしまうかのように。

灯りはある。

けれど、心の中には、また闇が広がっていった。

「その……お妃様。」

侍女が、どこか気まずそうに口を開いた。

「何?」

私は薄くかすれた声で返す。

「皇帝陛下が、お庭をご散策されるとき……お姿を見せた妃様がご寵愛を受けた、というお話を聞いたことがありまして。」
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