姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.31 お子ちゃま共の冷戦
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昼休みが始まった直後、数時間ぶりに旧校舎2階奥の教室のドアが開いた。
「ちょっと聞いたよ2人とも〜。
なんか“広瀬真が藤澤姫を奪い愛!”とかすごい尾ヒレがついた噂になってるけど、どこまでほんと…
……って、わぁ⭐︎なんかすごい空気だねぇ。」
それはそれは楽しそうに入室してきた榛名聖が笑いながら首を傾げる。
広瀬真は丸テーブルに座って、ドス黒い顔でひたすらノートに書き込みをしている。
私はテーブルからできるだけ離れたソファの端で、そっぽ向きながら足を組んで座っている。
ちなみにソファとテーブルの距離は2メートルも離れていない。不機嫌を全面に出して、互いを無視し合っている。
「子どもの喧嘩かよ。」
「「なんだって!?」」
榛名聖に続いて登場した近江涼介の冷静な一言に、思わず広瀬真と声が重なり舌打ちする。
ちなみにこの舌打ちもハモったから、余計にイラっとしてまたそっぽを向いて口を硬く結んだ。