姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.49 雪と、無表情な君
暖炉の火に照らされながら、でっかい窓の前に立って陽が落ちた外を眺める。
「わぁ、また降ってきた……。」
山奥だから夜になったら外は真っ暗なはずなんだけど、何せ金持ちの土地の庭。
街灯がポツポツ立っているから普通に外を視認できるのだ。
くだらないお喋りをしたりボードゲームをしたり、ダラダラと過ごしていたらあっという間にこの時間。
豪華な部屋の雰囲気にそぐわない賑やかなバライティ番組の賑やかな笑い声が室内を満たしている。
それをソファに座って並んで観ているのは、近江涼介と広瀬真。
「なぁ、涼介。今のどういうことだ?」
「……態と名前を呼び間違えて、モノマネさせてる。」
「成る程。元ネタ知らねーと笑えねぇやつか。」
2人ともクスリともしない。
完全にボケ殺しで芸人がちょっと哀れに思えた。
兄ちゃん達なら笑い転げているとこなのに、つくづく浮世離れした変な奴ら。
――ちなみに私はそんなくだらないネタじゃ笑えないんだけどね!
「ひーちゃんずっと外見てるけど、雪好き?外行く〜?」
食器の片付けが済んだらしい榛名聖が、私の背後からぬっと顔を出した。
「うわ!?ちょっと急に背後に立たないでよ!!
ていうかクソ寒いのに外なんか行くわけないでしょ!こういうのは見るだけだからいいんであって……」
「お前ら外行くの?じゃ、俺も行くかなー。
テレビ見飽きたし。」
騒ぎに気づいて振り向いた広瀬真が、緩く伸びをしながら言った。
「……まあ真のテレビ鑑賞に付き合うよりマシか。」
「あんだと涼介コラ。」
「よぉし決まり〜。じゃあ、行こっか⭐︎」
気怠く立ち上がった2人、そして私は榛名聖に引きずられ、雪降る外に放り出されたのだった。