姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
――ああ、そっか。
近江涼介だけじゃない。
広瀬真も榛名聖も、家族に“自分”を受け入れてもらえない環境で育ってきたのか。
抗ったり、斜に構えたり、受け止めたり、受け入れてもらえなかったことに対する反応は違うけど。
無自覚に居場所を求めていた奴らが似たもの同士集まってできたのがH2Oだったのかも。
「涼介が俺に声かけてくれなかったらこうはなってなかったかもな。」
「そうだねぇ。
俺も、涼ちゃんが余計な詮索してこない人だったから一緒にいられて、今こうしていられるわけだし〜。」
……私も。
家族以外の人にありのままの私を受け止めてもらったことがなかった。
『お前、やるな。』
だから初めて“私”を受け入れてもらった時は嬉しかった。
それでみんなと友達になって、賑やかだけど悪くない毎日を過ごしてる。
広瀬真や榛名聖が言う“救い”ってそう言うこと?
それなら近江涼介にも、そう思ってほしいのに。