姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.126 クラスの出し物に参加してみる
「本物のひじり君だぁああっ!♡」
「近江せんぱぁい!おにぎり絶対買いますからぁ!♡」
「広瀬くーん!カフェエプロン似合いすぎだよぉ♡」
「ひめちゃーん!!会いにきたよ〜!」
―――やっぱ無理!!
常軌を逸した熱狂に恐れ慄いて、瞬間的にしゃがみ込みショーウィンドウの影に隠れる。
近江涼介達も煩わしそうに顔を顰め、一先ず同じようにしゃがみ込んで姿を隠した。
「ひーちゃんて自ら注目浴びるのは大好きだけど、あっちから騒がれるのは苦手だよねぇ。」
「イヤあれは誰でも怖ーよ……。」
「……うるさ。」
そうこうしている間に、おにぎりの引換券を握りしめた人達がショーウインドウへと流れてくる。
すると、榛名聖が愛想よくニコニコしながら立ち上がった。
「おまたせしました〜⭐︎ご注文をどうぞ〜。」
「!!……“榛名聖”1つお願いしますぅ!」
興奮したような女の上擦った声に一同「?」な顔になる。