姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.127 悪くはない青春イベント


校舎の中は華やかに装飾が施されて、いつもと違う場所みたいだ。

(初めて見たけど、結構本格的なのね。)

中学までは文化祭なんて欠席してた。去年も騒がれるのがダルくて旧校舎に引きこもっていたっけ。

(――なんか、不思議な気分。
悪くはない気がするけれど。)

色とりどりのポスターや浮かれて笑う生徒達。
ガチャガチャとした光景にそわりと気持ちが浮き足立つ。

雰囲気は夏祭りに近いだろうか?
――なんて考えていると、隣を歩いていた広瀬真が不自然なタイミングで私の前に出て遠くを睨んだ。

「? なに?」
「なんでもねーよ。」

広瀬真の背中に視界を遮られて、前が見えない。

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