姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
なんでもないような顔をして入ってきたけど、お互いに顔を背け合って何も言わないから気まずい空気が流れている。
「道具扱いしてごめんね!」
決まり悪さにボソボソと呟くように謝る。
口調は幼稚園児が渋々謝るあのトーンだ。
「……おう。わかったんならいい。」
淡白な返事。
本棚に向かって2人並んでいるのに、顔を背け合っているからどんな顔をしているかわからない。
「広瀬真も大学選びにきたの?」
「いや。狙ってるとこの過去問探しに。姫は?」
「私もまあそう。何校かあるから。 」
「へぇ、どこ?」
「W大とK大とA大と……
とにかく努力でなんとかなりそうなレベルの高い大学。」
「復讐のため?」
「うん。」
「お前らしい気持ち悪ぃモチベーションだな。」
「なんだとぅ!?」
まだギクシャクした雰囲気だったのに、うっかりいつもの声が出た。ついでにうっかり広瀬真の方を見てしまった。
「そのヤル気、他で使えって言ってんだろブス。」
笑ってる。
片方だけ眉尻下げて、キツい猫目も下がって細くなった優しい笑顔だ。
「今更お前の復讐に巻き込まれたからってなんだってんだよな。アホらし。」
ん?今度は1人でスッキリしだした。
なんかよくわからないけど解決?
全くよくわからないけど。