姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.146 囚われている暇はない



――某時刻、金閣寺

非現実な金ピカの建造物を、私は目玉が落ちそうな勢いで凝視している。

バスガイドが京都弁で金閣寺にまつわる話をつらつらとしているけれど、全く耳に入ってこなかった。

「教科書の写真って偽物なんだと思ってた。」

私の呟きを聞た広瀬真が、こちらも見ずにツッコんできた。

「教科書が盛るために画像加工するわけないだろバーカ。」

カッチーン。

腹が立ったので因縁をつけて絡む不良のように、腕を組み広瀬真に顔を近づけて下から睨みつける。

「昔の建造物がずっと金ピカのままなんてあるわけないって思ってただけですー。」

「そりゃ何回か修繕されてっからな。なんなら一回焼失して建て直されてるし。」

「!!」

横で近江涼介と榛名聖が「姫の負けだな」「負けだねぇ」とボソッと呟く。

強気に出た挙句のそれで顔がカァッと熱くなる。

それを見て勝利を確信した広瀬真が意地悪くニヤリと笑った。
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