姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

――――……

カララ、と静かに旧校舎の教室のドアを閉め、古く静かな廊下を聖は1人で歩く。

“真を動かすには、それっぽい理屈で姫への利害を匂わすこと”

そう、あれは確信に近い推測であるが、
それを真に話したことは企みだ。

“ひーちゃんをトラウマから救いたいから動くよ。例えまーくんや涼ちゃんの心を利用してもね。”


1番大切なのは姫の心。


それは少しも揺らがないが、それでも友達である真の恋心を利用しようとしていることに心が痛まないわけではない。

「ごめんね、まーくん。」

小さな呟きは、誰の耳にも届かず消える。

意図も容易く操られてくれた真に、ほんの少しの罪悪感を抱きつつ、これが最善であると信じて苦笑した。
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