姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「いや、いい。欲しいのないし。面白さもわからないし。」

「えー?こういうところで友達同士バカになって遊ぶのが楽しいんでしょ〜?」

あ、やっぱり気のせいか。
気の抜けた口調と芯のない腑抜けた態度に、ほんの少しだけホッとする。

……それにしても、そうやって言うってことは、さてはコイツは友達経験者か。

「……理解できない。榛名聖は簡単にバカになれそうね、羨まし。」

なんか容易に想像できるわ。
チャラチャラした友達侍らせて、ヘラヘラ遊んでそうだもん。この人。


「ん〜。まぁ、そういうこともあったかな?

バカやるのってその場は楽しいんだけど、疲れちゃうんだよねぇ。結構すぐ飽きちゃうし。」


――あれ?やっぱりちょっと変?

ゲームセンターのカラフルで強い閃光が作る陰影のせいだろうか。


いつもふわふわヘラヘラして、深い海を揺蕩うクラゲみたいな、掴み所のない奴。

ずっと笑顔なのに、榛名聖の感情が幾重にも重なって見えた。

< 74 / 874 >

この作品をシェア

pagetop