姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「いや、いい。欲しいのないし。面白さもわからないし。」
「えー?こういうところで友達同士バカになって遊ぶのが楽しいんでしょ〜?」
あ、やっぱり気のせいか。
気の抜けた口調と芯のない腑抜けた態度に、ほんの少しだけホッとする。
……それにしても、そうやって言うってことは、さてはコイツは友達経験者か。
「……理解できない。榛名聖は簡単にバカになれそうね、羨まし。」
なんか容易に想像できるわ。
チャラチャラした友達侍らせて、ヘラヘラ遊んでそうだもん。この人。
「ん〜。まぁ、そういうこともあったかな?
バカやるのってその場は楽しいんだけど、疲れちゃうんだよねぇ。結構すぐ飽きちゃうし。」
――あれ?やっぱりちょっと変?
ゲームセンターのカラフルで強い閃光が作る陰影のせいだろうか。
いつもふわふわヘラヘラして、深い海を揺蕩うクラゲみたいな、掴み所のない奴。
ずっと笑顔なのに、榛名聖の感情が幾重にも重なって見えた。