姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

意気揚々と群れに近づくと、渾身の可愛いこぶりっこをお見舞いしてやった。

「ごめんね、涼介くん♡遅くなっちゃったぁ♡
……アレ?私のツレに何か??」

攻撃力カンストの私のキラースマイルに、負けを悟ったのか女達が撤退していく。

「ふっふーん。立場弁えてて学校の女共より大変素直でよろしい!
勝った勝った〜、完全勝利♡ね、涼介くん?」

気分良く近江涼介の隣に座って、きゅるんと可愛いポーズを決めるも無視された。

正直無視されるってわかってたのに調子乗った感は否めない。


「………遅いね!あの2人!」

ちょっとバツが悪くなったので咳払いをひとつ。

無表情ロボットのスイッチを解除すべく、こちらもぶりっこモードを解除してなんでもない話題を振る。

「混んでるからだろ、あっち。」

そう言ってペッパーランチの看板を指差す。

なるほど、確かに人混みができている。

ギャーギャーと女が騒がしくて、プチ撮影会みたいになってるからあの人混みはペッパーランチのせいだけではないと思うけど。


「食べれば?ラーメン。」

近江涼介は言いながらコーヒー片手に目の前にあるサンドイッチに手をつける。
それならまぁ、伸びちゃうし、と私も食べ始めることにした。


「…………。」
「…………。」

……沈黙長っ

ペッパーランチはまだ来ない。
話題提供の救世主を求めて人混みに目をやるけど、金髪も榛名聖も戻ってくる様子はなさそうだ。

2人並んで黙々と食事する。
気まずさに麺を啜る音を立てるのでさえやり辛い。

「………こういう時、友達って何話すんだろ。」

思わず心の声が漏れ出てしまった。

勢いで遊びに誘ったはいいけど、何していいかも何話していいかもわからないし、謎だらけだ。
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