姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「知らね。」
近江涼介の返事は相変わらず冷たくて無愛想。
しかもなんの参考にもならない。
答えをちょっと期待した私が愚かだったと溜め息をつきかけた。
「………けど。」
少し間をおいて続く言葉に、ちら、と近江涼介を見る。
そしたら視線がぶつかった。
「“友達はこうするもの”って型にはめなくていんじゃないか?
一緒にいて楽しいとか、自分を出せるとか、
そう思えたら、それで。」
「そっ……かぁ。なるほど?」
腑に落ちたような落ちないような。
だって日曜日のショッピングモールには友達連れが溢れてる。
誰もがみんなテーブルを囲んで、ワイワイ楽しそうに過ごしている。
休みの日まで一緒に遊ぶから友達なんじゃないの?
……それとも、友達だから休みの日も一緒に遊ぶの?
やっぱり私にはわからない。
でも、コイツらと私は友達だ。
「まぁわかったけど。
……でも、アンタらといて楽しいと思ったこと一回もないんだけど。」
真顔でそう言った私に、近江涼介の無表情がより無になった気がした。