姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「そーやって反省してろ、ブス!」
(ブス?)
一瞬の間。
一呼吸おいて明確な殺意が湧き上がる。
――くたばれ金髪!
……じゃなくて、広瀬 真
気の強そうな猫目がチャームポイント。比較的背も低めで可愛い系。(私の感想では以下略。)
アシメを編み込んだ金髪にカラーピン、白ランの上品さを崩すカラーシャツ。兎角チャラくて程度が低い。
でも成績はいいらしいから鼻につく。
ソファ後ろに立って黒髪の腰巾着みたいなことを言う金髪の程度の低さを、こっそりと鼻で嗤う。
すると湿ったスラックスを持った茶髪が、私を通り越して近江涼介の隣に腰掛けた。
「ねぇ君、いつまでそうしてるの〜?」
――気の抜ける脱力感。
榛名 聖
色気たっぷりの下まつげ長目のタレ目。
甘さを放つキャラメルブラウンの緩いパーマヘア。
いつもニコニコ、常にヘラヘラ。誰にでも愛想がいいからこそ胡散臭い。
絶対に近づきたくないタイプ。
(――こんな奴らが“学園の王子”?)
世も末だわ、なんて遠い目をして奴らを見上げる。
――通称“H2O”を。
「…………。」
ダッッッサ!!
誰よこんなクソダサな呼称つけた奴!
“水も滴るいい男”なんて言うけど、自分たちが水になってちゃ世話ないわね。
あ、でも滴ってたか。
カフェラテだけど。股間にだけど。めっちゃ染み込んでたけど。