姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.22 広瀬の家

【広瀬グループ】
明治時代から続く由緒正しい財閥で、現在はリゾート地の経営から飲食業界、医療業界まで幅広く事業展開をしている。
その総資産は日本指折りと言われており、現社長である広瀬真一氏は歴代最高の経営手腕を持つと言われ更なる広瀬グループの飛躍に期待が高まっている…………


「お前何してんの?」

「AIの解説読んでる。」

スマホをガン見している私を、金髪は引いた目で見ている。

H2Oの学校内での動向は把握したいから調べるようにしたけど、プライベートなんてまるで興味なかったから知らなかった。

友達いないから噂話も入ってこないし。


「プライベートを知らないなんて友達と言えるのかしら……。
……ハッ、まさか近江涼介と榛名聖の家もこんな感じ!?休み明け聞いてみなくちゃ……!」

何が不思議だったのだろう。金髪は一瞬ぽかんとする。

「……変な奴。」

ブツブツ独り言を呟きながら百面相する私を見て、片眉を下げて可笑しそうにクッと笑った。

広瀬グループのAIの解説を読み切る前に、車は庭園を抜け立派な旅館…ではなく広瀬邸の前にたどり着く。

家も立派すぎるけど、広瀬の歴史がありすぎて長すぎるのよ解説。

いつもブスだのバカだのギャーギャー騒いでるやつに、こんなルーツがあったとは……。

きっと甘々に甘やかされたバカボンボンに違いない。
そうじゃなきゃこんな金髪失礼男に育つわけないもの。


「坊ちゃん、姫さん、着きましたよ。」

ハイヤーさんが恭しく後部座席のドアを開ける。


金髪は「ん。ありがとう。」と慣れた様子でエスコートを受けている。
私は不慣れな扱いに少し緊張しつつ、その後に続いた。


(――さて、ここからが本番だ。)

“友達”のために、ぶりっ子力を存分に発揮しなくちゃね。
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