姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
金髪は反射的にグッと押し黙り、やるせなさそうに眉を顰める。
力強かった瞳がみるみるうちに諦観を滲ませ、乗り出した体はゆっくりと元に戻っていった。
「広瀬家の長男に選択肢があると思うな。
たまに我儘を通してやったと思ったらこれだ。恥を知れ。」
反論も言い訳も許さない厳しい抑圧。
金髪父は睨みつけるように金髪を見据えて不機嫌そうに立ち上がり、部屋を後にしてしまった。
――金髪は下を向いて悔しそうに歯を食いしばっている。
こんな表情初めて見たから、また何を言っていいのかわからなくなった。
「真さん、姫さんにお庭を案内して差し上げたら?」
重い空気を断ち切るような優しい声。
見れば金髪母の表情もその声と同じく穏やかだ。
「……そうします。」
絞り出すように金髪はそう言うと、私を庭へと連れ出した。